美容外科においてプチ整形がブレークしたことで、もうひとつ飛躍的に変化した事象があります。美容外科がその特質・能力として本来持っていた「若返り治療」という分野が急速にクローズアップされたことです。具体的には近年の「アンチエイジング治療」という一連の治療メニューを指すわけですが、こうした治療の普及もまた、プチ整形のポピュラー化と無縁ではありません。
先にも述べた「まるでお化粧をするような感覚」「メークの延長間隔」で行えるプチ整形は、セレブ層を中心とした中高年齢層のユーザーに大ブレークしたわけです。エステに十回通うよりプチ整形を、というユーザーが美容外科の門前に列をなしました。プチ整形がブレークするほんの十年前には、美容外科に対してある種の抵抗感を根強く抱いていた世代でこうした変化が突如起こったことは特筆すべきことと思われます。
もうひとつの要素として、この世代が熱烈に支持する韓流スターの多くが、いともあっけらかんと美容外科のユーザーであることをカミングアウトし、少なくともプチ整形程度は日常茶飯事であるという状況がマスコミを通じて伝えられたという状況も、美容外科の正当な評価を決定づけるにおいて大きな影響を及ぼしたと言えるでしょう。そして、プチ整形を体験したユーザーが、美容外科の確かな技術力を実感し、より深く美容外科に関わりたいという動機を醸成していったことは間違いありません。
きっかけはどうあれ、美容外科の技術と医療内容が日本社会で正当に評価され、多くの利用者を幸福に導いて行ったことは喜びに堪えません。また、ユーザー層の拡がりが、さらなる我が国の美容外科の進化をうながしていることについても同様です。美容外科の正当な評価と認知については、インターネット社会の発達という側面も忘れてならないでしょう。現在、多くのユーザーが美容外科に関する情報・知識をネットから得ているという報告もあります。正しく深い知識を持ったユーザーが、適切な治療を受けるための環境はいよいよ整ったと言えるでしょう。
インターネットの普及は美容外科のクリニック側からの情報提供も容易にしました。医院のカウンセリングを受ける段階で初めて得られたような知識・情報が、今では居ながらにしてPCで得ることが可能です。特に注目したいのは、クリニックが運営するオフィシャルサイトに必ずと言っていいほど掲載されている、症例ごとの詳細な実例写真です。実に多くの治療例が公開されていて、これから治療を受けるユーザーにとって重要な資料ともなり、また背中を押してくれる判断材料ともなっています。